【展】平等院鳳凰堂修理完成記念 天上の舞 飛天の美 展@サントリー美術館
先日のJ-wave Zappaサンデー、学芸員アイコのアートバナシ編でもお届けした特別展
「平等院鳳凰堂修理完成記念 天上の舞 飛天の美」のご紹介です。
平等院鳳凰堂は平成修理として昨年平成24年の9月3日から平成26年春までの予定で
修復作業に入っているため、鳳凰堂は拝観できません。
だからこそ、今回東京で一堂に会するという貴重な特別展が実現できたとのこと。
今回の特別展では国宝26点、重要文化財15点を含む貴重な文化財を間近で見ることができます。
飛天とは?
飛天、ときいてどんなお姿が目に浮かぶでしょうか?
飛天とは、空を飛び舞い踊る天人のこと。
なぜ踊ったり楽器を奏でたり、華を降らせたりするのか?
それは仏の存在をたたえているからです。
飛天のルーツはインド、そして、現在だと天女さま・・・が
一番一般的なイメージなんじゃないかなと思います。
表現者が具現化する美しさとは。
サントリー美術館の学芸員、佐々木康之さんのお話も聞きに行きました。
飛天が長い歴史の中で中世的なものから女性的に描かれるようになったこと、
中国の飛天がたとえば着物やショールをまとっているかとおもえば、
インドでは裸に近いお姿として描かれている・・・ものすごく幅広く表現されています。
これも興味深いところで、主人公となる仏は、教え、経典などで形や姿がある程度決められているが、
仏をたたえる存在、主従関係でいうと従う方はある程度自由に表現が許されていた…ということなんだそう。
時代や国を超えて、表現者の最も美しいと想像するお姿が彫刻やお軸の絵として具現化されているとしたら、
それはそれは美しいお姿…とまた想像を掻き立てられないでしょうか?
ひゃー!
仏像や彫刻好きの私はもうテンションが上がりっぱなし!
ひゃー!ひゃー!小声で言いながらあっち見たりこっち見たり、引き返したり・・・(*^_^*)
結縁
さらに、結縁(けちえん)の機会も。
雲中供養菩薩の一つ、模刻像、いわゆるレプリカではあるんですが、
本物の代役としてお堂の中に飾られる像に触れるという体験も。
インドや平安時代にも行われていたというこの結縁、仏様とのご縁を結ぶという大事な意味があり、
実際にサントリー美術館で結んでいただいた縁をたずさえて、
鳳凰堂の修復が完成した際にはまた堂内に戻られる…という、
これまた仏像ファンにはびっくりするような機会でもあります。
心の中でこれまた「ひゃー」と思いながらそっと私も触れました、結縁です。
地上に降りてこられた飛天の姿
4mほどの高さのところに普段は飾られている飛天を、自分たちと同じ目線で見ることができます。
学芸員の佐々木さんは、「地上に降りてこられた飛天の姿をぜひ見てほしい」そんな風にお話しされていました。
「六本木らしい華やかさ、そして、堅苦しくないとっつきやすさもめざした」という今回の特別展
2014年1月13日までの公開です。
ぜひどうぞ。私ももう1度ゆっくりと回ってみたいなぁと思っています。
DJAIKO62【Twitter→https://twitter.com/eibunkyoyaku】
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