DJAIKO62のアート噺

東京都内&京都の美術館で開催中の特別展・アート展について、インスタ記事としてあげたものをまとめています。

【展】みちのくの仏像展@東京国立博物館本館特別5室

 DJAIKO62です。

 

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2015/1/14から東京国立博物館 本館特別5室で開催、

特別展  みちのくの仏像展へ行ってきました。

東北6県を代表する仏像がおでましです。

 michinoku

 

今回この特別展を主催されたお一人に

特別展の準備で実際に現地にいらっしゃった時のことをお聞きしました。

 

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「給分浜観音堂」の3メートル近い十一面観音様を見に参りました。

東日本大震災津波の甚大な被害を受けた

宮城県牡鹿半島の先端の高台にあるお寺の観音様ですが、

約60人の町民が避難所としてしばらくお像のそばで暮らしていたそうで、

最初は「そんな心の支えてとなっていた観音様を町民から引き離して、

東京に連れてきてしまってよいのだろうか」と複雑な思いにかられました。

そんな思いの中大事に東京にお越しいただき、

展示室であらためてみた時のこと、観音堂のご住職がこう話してくださいました。

「はじめて東京に来られ、他の仏様たちとも語らうことができますので、

観音様も心なしかうれしそうに見える」と。

現地で見た時より、確かにお顔の表情がやわらかくなったように見えるのが不思議です。

他にも、東北の長い歴史を見守ってきたお像たちばかりですので、

多くの方に、お像の向かうにある何かを感じ取っていただければと思っています。

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私もまたゆっくりと、もう一度、お像と向き合う時間を持ちにお伺いしたいなぁと

話をお聞きしてそう思いました。

学芸員の資格を取ろうと思ったきっかけは仏像です。

長く、歴史を超えて、いろんな人の心と向き合い

時にはさとし、時には導き、それはそれは不思議な存在だと思います。

それは今も全然変わりません。

 

個人的には慶派の十二神将立像、

山形 本山慈恩寺さんの

丑神、寅神、卯神、酉神が迫力の存在感、

タイムストップされたような

今にも動き出しそうな躍動感が印象的でした。

 

また、岩手の天台寺さんの

聖観音菩薩立像のノミ目をあえて残したナタ彫りのお像。

解説にもあったんですが、

仏を刻む音を聞くことで功徳が得られるとする経典の記述があり、

その音をノミ目によって具現化しているそうです。

 ueno

館内で同時に開催されている特別展、

3.11大津波文化財の再生へもぜひ。

 

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