江戸東京博物館 維新の洋画家 川村清雄展
川村清雄展を見に、江戸東京博物館へ出かけてきました。
ポスターにもなっている「建国」という絵がとってもモダンで美しくて!
モダンアートにも近い印象・・・、
クリエイティブでイラストのような独自のタッチや斬新さに惹かれたのです。
この絵に限って言うと、若冲にも少~し雰囲気が似ていませんか?
オルセー美術館から初の里帰り出品にもなるそうですよ。
川村清雄さんは近年注目を浴びる洋画家。
江戸時代後期に旗本の子供として生まれ、
徳川家の援助を受けて留学、ベネツィア美術学校でも好成績を収めた努力家です。
しかし、帰国した川村を待ち受けていたのは、
フランス美術の影響を大きく受けつつある日本洋画壇。
こことうまく折り合わないと、どんなに素晴らしい作品を描いても要はだめ。
イタリア美術の影響を強く受けた川村の絵は、
画壇には認められることはなく不遇の時代を過ごしたそうです。
しかし、そんな中でもよき理解者が。
その一人が勝海舟、「彼は、実は僕の子なんだよ」なんてユーモアを持って川村を紹介したり、
作品を客間に飾ったり、かわいがったといいます。
そして、もう一人が徳川家達。
まるで交換日記のような親しさで、「君にだけいうんだよ。」「誰にも言わないで」と
何度も書き記した文が展示されています。
画壇には認められなかったけれど、よき理解者のもと、
日本の美と西洋を結ぶ自己スタイルを極められたのは
幸運だったとも言えるんじゃないかなと思います。
そして、今回は美術展としては珍しく、絵と同じくらいの点数の歴史資料も。
川村清雄が生きた時代、関わった人物、人となりを理解することで
より彼の作品を楽しめるのでは?という工夫が凝らされています。
それは、江戸東京博物館ならでは!という感じもありますよね。
2012年12月2日まで開催です。
※オフィシャルサイトは→【こちらから】