DJAIKO62のアート噺

東京都内&京都の美術館で開催中の特別展・アート展について、インスタ記事としてあげたものをまとめています。

【展】浮世絵から写真へ 視覚の文明開化@東京都江戸東京博物館

学芸員DJのDJAIKO62です。

 

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行ってきました!江戸東京博物館

浮世絵に写真がコラージュしてあるようなポスターで気になっていた特別展

「浮世絵から写真へ 視覚の文明開化」です。

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絵として描かれたエッセンス、絵から写真へのフェーズ、

現代アートのように絵に取りいれられた写真、

写真に色を施してかけた魔法…と、

西洋から入ってきたその文化に魅了されてきた様子をわかりやすく辿ることができます。

 

 

写真、お好きですか?

とある京都のお寺での事。熱心にスマホを構えている女性が一人。

「あぁ、あの風景を撮ってはるんやな。構図がなかなか決まりませんか?」

なんて心の中で思いながらたまたま後ろを通る時にどんな風景だろう?

何の気なしにちらりとのぞくと…

思いっきりアップになったその女性の顔が(゜-゜)!

(えーーー!セルフィーやったんかい!)と。

 

今や高性能のスマホカメラで撮り放題。

ムービーも写真も加工もアップも簡単!

何千枚単位できっと保存してありますよね。

私はセルフィーはめったに撮らず、ご飯と景色と記録用途のものばっかり(^_^;)

いつからやろうか?写真をタグ付したり

誰でも見られるインターネットにアップするのが当たり前みたいになってから、

やだなーって逃げるようになった。

アップしてもいい?なんて確認をとるなんてもはやナンセンス、

半目つぶってても、てっかてかでも、

酔っぱらいの醜態でも写ればアップされる(^_^;)

私は確認取れなかったら知らん人や通行人でも出来る限り顔にはモザイク入れます。

ま、写真とプライバシーのトピックは話すと尽きませんよね。

けちけちすんなよ!って人もいるし、出たもん勝ちって人も多いのが現代。

 

この一枚のために撮る方も撮られる方も相当神経注いだんだよ!っていう、

幕末から明治・近代の写真からは私はやっぱり気づくことも多かったです。

よそ向きの顔ってもっと大事にしてたんやろうなぁとか、

日本人って奥ゆかしさも美徳だったんだろうなぁ、ってことに。

共感してくれる人もいるけど、

私なんかは大概面倒だって言われちゃうのでやっぱり古風なのかも。

 

 

さて、本題に戻りましょう。

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この特別展、名所の浮世絵からはじまるんですよ。

絵って良いもんですよね。はぶける、縮尺遠近法無視できる、ごまかせる、

美しくできる…と人が生み出す、描きだす理想ですからね。

景色なんかでも作者が「ハッ」と心を躍らせたものが際立っているし、

今だとパノラマ写真でぐるーーっと撮れちゃうけど、

そういうのも絵なら一枚の絵や屏風に集約できちゃう。

 

写真、カメラ、という文化を受け入れて、

最初はやっぱり白黒写真ですからね。

その白黒写真に色付けをしてみたり、

絵の顔の部分をよりリアルに写真チックに描いてみたり

写真をもとに肖像画を描いてみたり、

また、写真を撮る時の構図やセッティングは、

浮世絵や日本画を参考にその美的センスを継承しようとしたりね。

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西洋文化や洋画のモチーフを取りいれたのも面白かった。

 

 

わかりやすさで言えば、「百美人」

美人コンテストみたいに投票して、1位、2位…とあって。

みんな同じような着物で背景で髪形で…やから違いがわからんなぁと思いつつ、

これって今でいうところの街でスナップ撮られているやつと同じや!と。

いつの時代も当時の流行りで着飾って写真におさまっていたんです。 

 

そしてハイライトのひとつともいえるのが写真油絵でしょう。

印画紙の表面だけを薄く残して裏から油絵の具で色を付けているんです。

今は途絶えているというその技術ですが、

独特の、よりリアルに!を追求したがための

不思議な非現実的な雰囲気があって私は好きだったなぁ。

 

 お見送りは白鵬関の優勝額。ここだけは撮影オッケー。

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2014年からは作者の引退によりインクジェットになったと解説にあって、

時代の移り変わりなんですがなんとなくさみしい。

人が筆を入れた判断の積み重なりや時間がこの優勝額にはあるんだなって思って、

一番長く私は向き合っていたかもしれません。

 

記録なのか、アートなのか、写真って気楽手軽なようでここに辿りつくまでの歴史は長い。

辿ってみると興味深いと思いますよ。

2015年10月10日から12月6日までの開催です。

 

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