DJAIKO62のアート噺

東京都内&京都の美術館で開催中の特別展・アート展について、インスタ記事としてあげたものをまとめています。

【展】From Life 写真に生命を吹き込んだ女性 ジュリア・マーガレット キャメロン展@三菱一号館美術館

学芸員DJのDJAIKO62です。東京&関西を中心に開催中の特別展・アート展・美術展のレビューを書かせていただいています。いつもご覧いただきありがとうございます。

 

*****

映画ブログは新作中心に更新しています。→【こちらから

Instagramもぜひフォローしてください☆→【こちらから

舞台挨拶や記者会見、トークイベントの司会など多数実績ございます。
また、ラジオ出演・美術展や映画コラム執筆などのお問い合わせなどは
こちらのリンク】からお送りください。

*****

 

今日は「From Life 写真に生命を吹き込んだ女性 ジュリア・マーガレット キャメロン展」をご紹介です。

c5

写真史の中でも必ず名前のあがる人、そして女性であるという点にも注目です。さらに、カメラを最初に手にしたのが48歳の時という事実に驚きました。「退屈しのぎになるでしょ。」と子供からプレゼントされたカメラに夢中になったキャメロン、ハイソサエティでの生活で磨き上げられた才能はもちろん、持ち前の性格や人脈も手伝ったのでしょう、あっという間に時代をけん引する写真家となりました。

 

磨かれた感性

感性というのは身を置く環境によって変わります。いわゆるハイソな環境で奥様として、母として過ごしてきたキャメロンの撮るポートレートやテーマ写真のアーティスティックなこと!モデルとなった身近な人たちがまとう「完成された役者感・モデル感」も相当なものではあるのですが(^^;)、今では当たり前のようにアプリでぼかしをかけたり、ピントを外したりする「加工」を「撮る際や現像時のテクニック」として使用したこの着眼点はやはりすごいと言うしかありません。

c1

 

写真とは

プロのフォトグラファーじゃなくても、随分と写真を撮る機会が多くなったと思いませんか?

c3

三菱一号館美術館、高橋館長も「日本人は本当に写真を撮るのが好きです、でも、芸術として鑑賞する習慣はまだそう多くない。」と話していらっしゃいました。館長は三菱一号館美術館が開館する以前から「いつか写真の企画展を、ジュリア・マーガレット・キャメロンの特別展をやってみたい。」と思い描いていたそうです。

私もルールはもちろん守ってのことですが、メモ代わりに写真を撮ることもありますし、手帳にこの一週間を書き込む時にどうしても思い出せない時はスマホのアルバムに頼ったりします。私は自分が撮影されるのがすごく苦手でして(^^;)、同じように人を撮影することも極力避けるようにしているんですが(その方がフェアに思えるので)、対風景や物などに対しては結構撮影します。自分でも「お!イイの撮れた!」と思えるのは100枚に1枚あるかないか程度の頻度ですが、それでも嬉しいものですよね。昔プロの方に「イイのが撮れるまでとにかく数を撮るのも大事だよ。」と言われたこともありますし、また、普通なら見逃してしまいそうな「美しく写真にとどめておきたいと思えるような瞬間」を見逃さない感性これが私は一番大事だと思っています。

その点において、キャメロンが感性を育んだ環境がいかに文化的に豊かだったか…想像ができるなと感じられたのが今展でした。

c6

キャメロンは身近な人をモデルに衣装を着せて、聖母、親子、肖像、幻想主題をテーマに写真を芸術にまで高めようと努力をしました。また、今の撮影技術とは違い、ネガを非常に繊細なガラス板でつくり、何度も薬剤を塗るなどその手間は想像以上のもの。写真に夢中になる彼女を支えたのも身近な人たちでした。信頼関係や親密さがモデルとなった人たちからもにじみだしているような気がしました。なんとも幻想的で、子供たちはまるで絵画の中の天使、大人の女性は聖母、立派な髭をたくわえた紳士はダンブルドア先生のよう…とどれも芸術的です。カラーではもちろんないのに、色が見えてくるような雰囲気に驚かれると思います。ファンタジーなどが好きな人は夢中になって一点一点を見られるんじゃないかなとも。

キャメロン生誕200年という節目の国際巡回展であり、日本初となる回顧展、貴重なヴィンテージプリント(オリジナルプリント)をはじめ、約150点の作品や資料を通じて「写真に生命を吹き込んだ」ジュリア・マーガレット・キャメロンという存在を知る機会、ぜひお出かけください。

 

ギフトショップ

今展では新たな試みも。

c2

↑何だかギャラリーの延長戦のように額に装丁された写真が飾られています。それぞれの作品の下には7桁程の数字が…これって「いち、じゅう、ひゃく、…」そうです、写真の値段なんです。このように価格があることで、展覧会とショップの違いを出しているとのこと(写真だと影になっていて見にくいのですが。)。おしゃれなレイアウトも含め、恵比寿POSTの中島さんが監修されたそうです。

絵葉書が点数がそれほど多くないのですが、色味などを含め非常に素晴らしい状態で完成したという図録はおすすめ!です。

 

※ 展示室内の写真はすべて内覧会時に特別に許可をいただいて撮影したものです。今展においては、展示室限定ではありますが、写真OKの部屋があります。

 

三菱一号館美術館 公式サイトは→http://mimt.jp/

2016年9月19日までの開催です。

  

DJAIKO62

2016年4月よりαステーションFM京都にて生放送に復帰しました!月&火曜の16時~18時、Kyoto Air Loungeです。radikoプレミアムで全国からお聴きいただけます♪

Twitterぜひフォローしてくださいませ。→https://twitter.com/eibunkyoyaku

Instagramはほぼ1日1枚。→【こちらから

舞台挨拶や記者会見、トークイベントの司会など多数実績ございます。
また、ラジオ出演・美術展や映画コラム執筆などのお問い合わせなどは
こちらのリンク】からお送りください。