#最後に観た展覧会 ギャラリー巡り~京都 祇園祭展
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#最後に観た展覧会
というハッシュタグ。美術館、博物館が期限を切らない休館を決めています。
前売り券を買って楽しみにしていた特別展が開催されないことなんてこれまでありませんでした。各々がその当たり前のような楽しみを懐かしみ、また近い将来、普通にアートを見に行けたらいいなという願いから起こったムーブメントのような気がします。
バトンとか、流行りのハッシュタグとか、関西人のくせに面白いことを絶妙のタイミングで言えない私はちょっと考えすぎてしまってすぐに塩漬けにしまうのですが(本当に申し訳ない…)、今回に関しては最近行った美術展ってなんだっただろう?と振り返りつつ、書いてみることにしました。
最後に行った”ギャラリー”は東京・京橋の加島美術さんで開催されていた「琳派展」でした。
ちょっと余談ですが、ギャラリーって、「入ってもいいのかな?」ってなりませんか。私もかつてはそうでした。心の中で「買えないから悪いなぁ。」と思っていたんですが、いつだったか外に向けたディスプレイの絵が好みで立ち止まって見ていたら、中から「どうぞ」と招き入れてくださって。それでももじもじしていたら「ご覧になるだけでも。」とにっこり。それからは勇気を出してというかおそるおそる訪ねてまわり、慣れていきました。今では現代作家さんの個展だとよくあるレセプションにも(厚かましくも)出かけるように。
また、美術館だと展示ケースの中に納まっている作品を間近で見られるだけでなく、購入できるというのもすごいところ。楽しみ方が美術館とはまた違うことに気づきます。
そして最後に行った”美術館”は、奇しくも京都。
京都文化博物館にて5月17日まで開催予定の特別展「京都 祇園祭」です。(5月2日現在、臨時休館中です。)
ラジオでの紹介に合わせてアップしよう…と思いつつ、その後外出自粛から緊急事態宣言へ。インスタであげていたのは期間限定で組み立てられた橋弁慶山と郭巨山。(インスタのアカウントをお持ちの方は2枚目以降もあります。)
休館のまま後期展示になりました。
この特別展を見てあらためて祇園祭が「動く美術館」と言われるのが実感できました。
祇園祭山鉾連合会 理事長の木村幾次郎さん
「祇園祭は疫病退散、病魔退散のお祭りです。(こんな状況なので)大勢の人に(特別展へ)来てほしいとは言えないけれども、展示を喜んでいただけると嬉しい。」
と話しておられたのが印象に残っています。
4月20日には今年の祇園祭、前祭・後祭の山鉾巡行の中止が発表され=祇園祭中止のように思っておられる方もいるかもしれませんが、おそらく全ての祭事・行事を中止にするわけではないでしょう。例年のように屋台飯とお酒を片手にそぞろ歩いたり、曳き初めに参加したり、ちまきやお守りを買いに行ったり…と雰囲気を味わうことは残念ながら無いと思います。今年は祇園祭を守り受け継いできた地元の方々と八坂さんが、願いを込めてどんな形だとしても執り行い 、未来に繋いでくれることでしょう。
ここからは本来ラジオで~と思っていたのですがちょっとだけ。
「特別展 京都 祇園祭」ハイライトの一つとして「飾り金具」がありました。山鉾を彩る装飾です。ついつい御神体やタペストリーに目が行って、金具をまじまじと見ることは無かったのですが並べてみてみると圧巻。
月鉾の鉾頭。いつもはうんと空高くに。
ご神体人形も間近で。すごい迫力です。一礼してから写真を撮りました。
蟷螂山のかまきり。巡行や宵山などではからくりで動かします。かわいくて大人気!
黒主山会所飾
写真はほんの一部です。他にもタペストリーや衣装、設計図、復興山について、天井板絵、軒下裏絵、絵巻に屏風に…と約150件!
なんとなく京都文化博物館へいくといつも祇園祭の山や鉾の展示をしておられるなぁと、普通に地元だからかな?と思っていましたが、実は8年間、年間4つの山や鉾を順番に取り上げ、企画展示していたのだそう。職人さんたちの技や思いを間近でみられる貴重な機会として調査・開催をしてきたものの集大成的位置づけでもあった今展。個人的には全く同じものを収束後に再度開催できたらいいのになと。もしくは開催延長とか。(挑む浮世絵 国芳から芳年へが中止になったこともあり。→特別展「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」展中止について | 京都府京都文化博物館)
京都に長く住み祇園祭を身近に感じている人も、一度は見に行きたいなと願う人も、祇園祭がどのような歴史を持ち、地元の人に支えられてきたか、濃ゆい密度で改めて知る・触れる・楽しむ特別展でしたよ。
※5月6日追記→祇園祭展の中止が発表されました。
新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止に鑑み、特別展「京都 祇園祭」展と「国芳から芳年へ」を中止いたします。
— 京都文化博物館 (@kyoto_bunpaku) May 6, 2020
開催をお待ちくださった皆さまには誠に申し訳ございません。ご理解を賜りますよう、お願い申しあげます。
ご購入チケットは払戻しをいたします。
詳細は当館HPをご覧ください。
と、ちょっと長くなりましたがアートバナシ番外編のような形になればと気合を入れてブログに向かい合いました。本来このくらいの熱量で取り組むべきだよな、と書きながら反省も。お読みいただきありがとうございました。早くラジオでもアートバナシをできる世の中に早く戻りますように。
※写真は内覧会時に申請、許可を得て撮影したのもです。転載や画像の無断使用、直リンクなどのご使用はお控えいただきますようお願いします。
以下リンク。
・開館情報などは公式へ。
・図録は通販対応されています。
休館のお知らせ/「京都 祇園祭」図録の通信販売/Announcement of Museum Closures | 京都府京都文化博物館
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