【展】生誕300年記念 若冲展@東京都美術館 企画展示室
学芸員DJのDJAIKO62です。
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錦市場を歩くと、
伊藤若冲生誕300年を記念したバナーがアーケードに下げられていて、パッと目に飛び込んできますよね。
若冲が京都の青物問屋の家に生まれたことは京都の人なら良く知ることで、絵師として身近な存在でもあります。そんな近年熱い注目を浴びる若冲の特別展が2016年4月22日から5月24日まで東京都美術館で行われています。
「日本中からではなく、世界中から見に来られるでしょうね。」
とは関係者の話。会期が約1か月間というと短い印象がありますが、これはやはり見どころの一つでもある動植綵絵30幅が宮内庁から出展されているから。明治時代に相国寺から宮内庁にその所在が移った動植綵絵ですが、保存保護の観点から1年に公開を許されている日数が厳しく決められているんだそうです。
もともとこの動植綵絵と釈迦三尊像は伊藤若冲から相国寺に一緒に寄進されたもの。上記、明治時代に動植綵絵と釈迦三尊像が離れ離れになって以降、2007年に京都でも「承天閣美術館で120年ぶりに一堂に会します。」という特別展がありましたが、東京では初となる機会です。また、大きな一つの展示室で、釈迦三尊像をぐるっと囲むようにこの動植綵絵の30幅がかけられ、当時若冲が10年をかけて仕上げた作品をこんな風に見たんじゃないかなという、その空間に身を置けることは若冲ファンとしても幸せなことだなぁと感じられる貴重な経験になると思います。
今回はその動植綵絵にも描かれている鳳凰や孔雀の絵と構図も似ていて、おそらく時期的にはそれよりも前に書かれているという孔雀鳳凰図も見ることができます。83年ぶりに発見されて、箱根の岡田美術館からの出展です。空想上の生物でもある鳳凰を、若冲は本当に見たのではないかという、リアルさと美しさ、神々しいたたずまいに圧倒されることと思います。対峙した人誰もが息をのむ圧倒的な技量は日本人としても誇らしくなるほどでした。
今年は近代の日本画家の回顧展的なものも多い印象ですが、若冲の代表作の中の代表作、すごいものだけを集めてみてもらいます!という80点は大げさじゃなくていろいろなご縁や機会が重なってのことだと思います。東京方面にお出かけの際には京都の偉大なる絵師・若冲の作品を尋ねに行く、というのも充実した時間になるかもしれませんね。
※ 展示室内の写真はすべて内覧会時に特別に許可をいただいて撮影したものです。
DJAIKO62
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