【展】日伊国交樹立150周年記念 カラヴァッジョ展@国立西洋美術館
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今日ご紹介するのは2016年3月1日~6月12日の間、国立西洋美術館で開催の「日伊国交樹立150周年記念 カラヴァッジョ展」です。
タイトルにも含まれているので言わずもがなですが、その名前を聞くだけでも「イタリアの人」ってわかりますよね。
実は両親がカラヴァッジョという土地で生まれたことからその名をつけられ、自身も幼少期を過ごしたそうです。
↑作者不詳≪カラヴァッジョの肖像≫1617年頃、ローマ、サン・ルカ国立アカデミー
↑カラヴァッジョはユーロに変わる前のイタリア・リラの10万リラ紙幣にも採用されています。(ちなみに50万リラ紙幣はラファエロ。)
生涯を通じて残した作品は60点強と言われています。怒りっぽくトラブルも多かったカラヴァッジョは38歳で亡くなっているのですが、教会に設置されているものなど移動ができないものもあるので、今回11作品が来日しているのは後にも先にも最後というレベルの機会だそうです。
私が一番印象に残っているのが「メドゥーサ」でしょうか。
↑これがまぁリアルでこわい。ウフィツィ美術館所蔵のものが有名ですが、こちらは1990年代に紹介された個人蔵のもの。科学調査の結果、ウフィツィ美術館のものよりも前に描かれたものだとわかりました。この絵の前に立ってみてください。石にはなりませんが凍りつくような思いになりました。
2014年に発見された世界初公開の作品も。
↑カラヴァッジョ≪法悦のマグダラのマリア≫1606年、個人蔵
↑今展で世界初公開となるのは「法悦のマグダラのマリア」という作品、2014年に発見されました。カラヴァッジョが殺人を犯してローマを逃亡、近郊の街で身を隠していたという1606年の夏に描かれたもの。1610年ポルト・エルコレで不慮の死を遂げた際、荷物にあった1枚のマグダラのマリアの絵がこれとされています。
↑カラヴァッジョ≪ナルキッソス≫1599年頃、ローマ、バルベリーニ宮国立古典美術館
↑好きなモチーフです。ナルキッソス。
全体的にズシッと重く、背景の黒が絵と現実を繋いで、なんとなくその場に存在したであろう陰とか後ろめたさとか闇が伝わってくるのも印象的でした。
描写の細かさや艶めかしさも飛びぬけてすごいのですが、スポットライト的に当たる光は描き手カラヴァッジョの意思も存分に反映されているそうなので、そんなところにもご注目を。
日伊国交樹立150周年記念 カラヴァッジョ展
2016年3月1日(火)~6月12日(日)
国立西洋美術館
観覧料金:一般1600円他
公式サイト⇒【http://caravaggio.jp】
☆4月5日には入場者数が10万人を突破しました!
※ 展示室内の写真はすべて内覧会時に特別に許可をいただいて撮影したものです。
DJAIKO62
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