【展】サントリー美術館 谷文晁展
六本木ミュージアム巡り続きです。
前半のアンドレアス・グルスキー展は<こちら>から。
六本木ミッドタウンのサントリー美術館で開催中、
谷文晁展(2013/7/3-2013/8/25)の内覧会にもでかけました。
谷文晁は江戸時代後期に関東の画壇で中心的な役割を担った方。
江戸狩野の特徴だけでなく、どこか京都っぽいものを感じたり、洋風画の手法も学んでいたり、
最近ファインバーグコレクション展でみた圧巻酒井抱一とも交友関係にあったり、
幅広い人間関係から受ける絵への影響も大きかったんではないかなと思います。
作品は、緻密で、華やかで、どの絵にもドラマがある。見ごたえがありました!
石山寺縁起絵巻もすごかったよー!修復後初の公開だそう。
最後に見れる富士山の屏風が特に素敵です。
自分は絵の世界の富士山(日本一)になるんだ!という達観した感じが、
無駄な線一本なく、猛々しさや荒々しさがあるわけでもなく、
非常に決意のこもった印象で筆がおかれているように感じました。
帰ってから図録もまじまじと見入りました。
両展を続けてみたからかもしれませんが、共通点のようなものを感じました。
いろんな師に学び、試行錯誤しながら自分の個性にやっとたどり着いている
という点です。
谷文晁は自分が教鞭をとった塾で、
まずは模写をして優れた人の絵を学びなさい、
次に自然のもの・目の前にあるものを忠実に描きなさい、
そして、やっと自分の個性を探るスタート地点に立つことができるのです、
というようなことを説いたそうです。(オーディオガイドより、ぜひ聴きながらの観賞を!)
人に説くということは、自分の信念でもあるはず。
試行錯誤を繰り返しながら絵と真摯に向かい合った彼の姿勢をぜひ特別展で感じてほしいです。
DJAIKO62【Twitter→https://twitter.com/eibunkyoyaku】
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