【展】ウィレム・デ・クーニング展@ブリヂストン美術館
学芸員DJのDJAIKO62です。
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J-waveで毎週日曜日朝5時からの生放送「ZAPPAサンデー」と、
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ZAPPAサンデーでは「アイコノハナシ」コーナーが好評です。
学芸員の資格を持つDJAIKO62が美術展を自ら見歩いて紹介したり、
最新映画をチェック!一般的な作品案内ではとは一味違うところをお楽しみください。
Hanakoの音楽ページもたまに書かせていただいています。
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大好きなブリヂストン美術館で2015年1月12日まで開催のテーマ展示、
ウィレム・デ・クーニング展を見てきました。
私も初めて対峙する作家さんでした。
第二次世界大戦後にアメリカでめきめきと頭角を現し、
抽象表現主義を代表する一人として活躍した方だそうです。
あの有名なパワーズコレクションから貸し出されたのは、
日本だけではなく世界中でもあまり公開されたことのないもの。
ジョンさん、キミコさんご夫妻といえば、
その膨大な現代アートのコレクションで有名ですよね。
アンディー・ウォーホールとは特に親しかったというエピソードがありますが、
今回のテーマ展の主人公ウィレム・デ・クーニングさんとも親交があり、
画廊を通して買うものだけではなく、
いわゆるパトロンとして作家を支えた人だけが手に入れられるようなものも多いそう。
ピカソの言葉にこんなものがあります。
「優れた芸術家は模倣し、偉大な芸術家は盗む」
長い長いアートの歴史の中でも近代の作家さんの苦悩とは…とふと考えました。
デ・クーニングは自分らしいもの、オリジナルのものを生み出そうと戦った方なのでは?と。
現代アートの流れにすら激しく抗おうともがいたような気がしました。
描く紙の素材にこだわり、時に新聞紙や雑誌、
トレーシングペーパー(半透明紙)にも描きました。
(トレペのものは傷みやすいので貴重な出展だそうですよ。)
色彩やタッチもなんだかとっても荒々しく感じられ、
女性という一見繊細なものを描いているとは最初は思えませんでした。
女性の内面に沸き立つ炎のようなものを描いているのか、
モデルや女性に対する気持ちだったのか…そこらへんは想像力を駆り立てられますよね。
デ・クーニングは60年代にその地位が確立されましたが、
ら描き始め生涯の絵のテーマともなった「Woman」「女性像」のシリーズがあるんですが、
アメリカには無い肉感、女性の描き方を目指したそうで、必見です。
なかなか私も咀嚼が難しいなぁと感じることの多い現代アートなんですが、
触れる機会をまず持つ、時代が近いだけに新鮮な熱量を感じられると思いますよ。
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