興福寺国宝特別公開2013 南円堂・北円堂 同時公開
「いま、ふたたびの奈良へ。」
秀逸な、他にはないCMやなぁといつもため息が出ます。
「そうだ、京都 行こう。」と同じくらい好きで、いつかナレーションで参加するのが夢です :-)
地元ではあるんですが、「次はここにいこかな。」と、誘われるんですよねー。
今回は京都に帰る予定を少し延長して奈良にも足を延ばしました。
私は仏像が好きで好きで、
それで大学時代は専門とは違いましたが学芸員の資格を取れる科目も専攻したくらいでした。
特別展などでスポットライトをあびる「見ていただくお姿」も好きですが、
やっぱりわざわざ現地に足を運んで対峙、空間ごと体感、拝見するのはまた格別のものがあります。
今年2013年は興福寺の南円堂創建1200年にあたる節目。
南円堂は藤原冬嗣が父の冥福を祈り建立したお堂で、現在のものは4代目、江戸時代の建築だそうです。
毎年10月17日にのみ一般公開されているという堂が4月12日から6月2日まで特別公開されています。
公式サイトではテレビで流れているCMもチェックできて、1分半の特別映像もおすすめ。
南円堂で迎えてくださるのは不空羂索観音菩薩坐像。そのスケール、穏やかな表情、
手に持っていらっしゃる綱(羂索)で人の願いとつながり、救ってくださるのだそうです。
作ったのは康慶、あの運慶の父です。周りを囲む四天王立像もかっこいい!
どの角度からの観音様もざわついた心をすっと沈めてくださると思います。
南円堂公開と一緒に北円堂も公開になっているのですが、
階段を数段上り、お堂に入った瞬間に目の前にパッと広がる何とも言えないピンと張りつめた空気。
弥勒如来坐像を中心に四天王の立像、そして、如来さまの両脇には無著さま世親さまのお像が。
目が釘付けになったのは無著さま。険しく、厳しく、眼光鋭く!
でもどこか優しさ、穏やかさも感じられる、大きな大きな存在感がありました。
たまらず職員の方に話しかけたら、「たくさん見てこられているんですね。」と、
運慶の代表作と言うだけでなく、日本彫刻の宝であることをお話し下さいました。
何度も何度も引き返しては次、いつまた拝見できるだろうかという思いになりましたよ。
とっても貴重な機会だと思います。ぜひぜひ出かけてみてください。