【展】うらめしや~、冥途のみやげ展@東京芸術大学大学美術館
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東京芸術大学大学美術館で2015年9月13日まで開催の特別展、
「うらめしや~、冥途のみやげ展」へ行ってきました。
プライベートでの観賞です。
先日滑り込みのタイミングで
全生庵さんへ圓朝コレクションを見に行ったことを書きましたが【→こちら】、
コレクションの半分はこちらの特別展に貸し出しされているのです。
なので、立地の便利さからもはしごして楽しんだという方も多いんじゃないかと思います。
興味深いテーマですよね。
落語にしても演劇にしても、男女間の感情のもつれや関係を描いたものは数知れず。
時代をさかのぼっても今とそんなに動機となる部分は変わらないのだと思います。
永遠に誓いあい、守り抜くというのはみんながみんなできることではないのかもしれない…
というところを物語にしたほうが人の興味も集まりやすいのかもしれません。
下世話なことなんですが(^_^;)
最初は純粋な、相手を思うという純粋な気持ちからはじまるのでしょうけど、
大概の場合身勝手なお相手の心変わりによって傷つき、うちのめされ、
お相手やその周りにまで憎悪の気持ちがふくらみ、
時にはその気持ちや魂だけが肉体を離れてまであらわれて相手を苦しめていきます。
その姿を描いたものが幽霊画なんでしょう。
みなさんもよくご存じの鏑木清方や河鍋暁斎、高橋由一に上村松園までが
テーマに選んで描きたいと思ったテーマなんです。
第3章からは「うらみ」がテーマに選ばれているのですが、
みなさんくいいるように絵の前でその「思い」に気持ちを重ねているようにも見えました。
蚊帳が天井からさげられてあったり、和室にあるような灯りの演出、
また造花ですが笹の葉の間に紐で結界のようにしてあったり…と
「雰囲気作りしますねー!」と思いましたが、
ちょっと聞いてみたところ、
みなさん前のめりにご覧になりすぎて躓いてしまわれることが多いので、
注意を促すための紐なり笹なりなんだとのこと。
こちらではたとえば夫婦のお化けとか、
木魚から湯気のようなものが描かれた飯島光蛾の「木魚の怪」、母子の幽霊まで
想像を超えた「存在」が選ばれていることに驚きました。
雪女とも似ているのですが、「海坊主」はこれまたシルエットだけで面白かったなぁと思いました。
大好きな歌川国芳の作品もたくさん見られて大満足の特別展でした。
2015年9月13日までの開催です。お早めにどうぞ。
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